涙が止まらない
涙が止まらない
「涙が止まらない」「常に目の端から涙があふれてくる」「風が吹いたわけでもなく涙が流れる」といった症状は、医学的には“流涙(りゅうるい)”と呼ばれ、年齢や性別を問わず多くの方にみられる身近な目のトラブルです。涙は本来、目の表面を保護したり、乾燥を防いだり、異物を洗い流すために重要な役割を担っています。しかし、この涙のバランスが崩れたり、眼と鼻をつなぐ涙の通り道(涙道)がうまく機能しなくなったりすると、必要以上に涙があふれ出ることがあります。涙が止まらない状態は一時的なものから治療が必要な病気まで原因が幅広く、適切な原因診断が重要です。
意外に思われるかもしれませんが、涙が「不足」していても涙が「あふれる」ことがあります。目の表面が乾燥して傷つくと、目を守るために大量の涙を分泌する“分泌性流涙”が起こるためです。この涙は質が安定せず蒸発しやすいため、結局は乾燥と流涙を繰り返す悪循環に陥ります。特に長時間のパソコン作業、スマートフォンの使用、コンタクトレンズ装用、加齢による涙の質の低下などが影響します。
花粉、ハウスダスト、動物の毛などが原因となるアレルギー性結膜炎では、かゆみや充血とともに涙が止まらない症状がよくみられます。目をこすってしまうことで炎症が悪化し、流涙がさらに増加することもあります。季節性(花粉症)と通年性の両方があり、適切な点眼治療と生活環境の改善が求められます。
感染性結膜炎では、炎症による刺激で涙が多く分泌されます。特にアデノウイルスによる流行性角結膜炎(はやり目)では涙が増えるほか、強い充血や異物感、目やにを伴うことが多く、感染力が非常に強いため注意が必要です。細菌性結膜炎でも同様に涙が増えることがあり、抗菌薬の点眼が必要になる場合があります。
まつげが目の表面に触れることで刺激となり、涙が止まらなくなるケースもあります。幼児から高齢者まで幅広くみられ、加齢でまぶたの形が変化することによって逆さまつげが生じることもあります。軽度であれば点眼薬で炎症を抑える治療を行いますが、まつげが継続的に角膜を刺激している場合は、抜去や手術治療を検討します。
涙は目の表面から鼻の奥へ流れていく仕組みがありますが、この“涙の通り道”である涙道が詰まると涙があふれてしまいます。これを涙道閉塞と呼びます。
代表的な症状は以下のとおりです。
涙道閉塞は加齢により起こることが多いですが、感染や外傷後に生じる場合もあります。根本的な改善には涙道の通りを改善する治療(ブジー、涙道チューブ挿入など)が必要となることがあります。
まぶたが下がる眼瞼下垂や、まぶたの外反(外向きにめくれる状態)があると、涙の排水口である涙点が正しい位置に収まらず、涙が流れ出てしまいます。涙そのものではなく“まぶたの構造”が原因で流涙が起こる場合は、目薬だけでは改善しにくく、まぶたの形を整える治療が効果的なことがあります。
以下のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。
特に片側だけ持続する涙は、涙道の異常である可能性が高いため注意が必要です。
当院では、問診・視診に加え、必要に応じて以下の検査を行います。
また、原因に応じて、以下のような治療を行います。
症状の原因は一つではなく複数が重なっていることもあるため、早めに検査を受けることで適切な治療につながります。
「涙が止まらない」という症状は、単なる疲れや乾燥といった軽度の要因から、涙道の閉塞や感染症など治療が必要な病気までさまざまな原因で起こります。日常生活に支障を感じている場合や、症状が長引く場合には、早めの受診が大切です。当院では長年大学病院で涙の治療を行ってきた経験を生かし、丁寧な診察をもとに、一人ひとりの症状に合わせた最適な治療をご提案いたします。また最新の涙道検査・治療機器をそろえており、涙道疾患が原因の場合は当院での手術加療が可能です。気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
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